野村佑希選手インタビュー
2025年03月28日(金) 選手

きたるべき瞬間、野村佑希は普段通りに徹しようとしている。
プロ7年目で任された「開幕4番」。
初の大役を任されたシーズンにも、特別感は抱かないようにしている。
「正直、(開幕4番と)言われてもやることは変わらない。まず、やろうと思っていたこと、やるべきことっていうのをしっかりやること。あとは悔いなく100パーセントの準備をして、開幕戦を迎えるしかないと思っています。4番だから、となるよりは、なるべく自然体に。普通に過ごせたらと思っています」
シーズン終了後の昨年11月。チームからファンへ感謝を込めて行われた《F FES 2024》のクライマックスで、新庄剛志監督から告げられたサプライズ。
「開幕4番、野村くんでいきたいと思います」
大歓声が上がる中、野村は「4番の野村です。来年は圧倒的な数字を残して、日本一になります」と宣言した。
確かに感じた期待は、これまでの不甲斐ない歩みがあったからこそ。
チームが大躍進した2024シーズンは、出場56試合で打率2割1分、2本塁打。
同級生のミレニアム世代の活躍も、同時に眩しかった。
「あれだけ同級生とか活躍して、自分は何もできなかったことに対して焦ってしまった」。
焦りから結果が出ない中、チームはポストシーズンへ。
エスコンフィールドで初めて行われたパーソル CS パ ファーストステージから、敵地でのファイナルステージでも出場機会はなかった。
「まだ、1軍で必要とされていなかった」と素直に力不足を認める。
今季に懸ける想いは人一倍強い分、「開幕4番」の意味合いもひと味違う。
期待されながら悔しさを味わってきたからこそ、見える景色がある。
「もし違う立場だったら(野村の開幕4番は)よくは思わないというか、悔しい。『なんでだ』って思います、そう思われてもしょうがないと思う。しっかり1年かけて、チームメートやファンの皆様の信頼を得ながら、シーズン終了する時には、誰かこう認めてくれるようなシーズンにしたいと思います」

《PRE-SEASON GAMES 2025》ではアーチを放つなど、存在感を披露。
かねて本塁打を意識して、打撃を崩すことを懸念している新庄監督には「×ポーズ」で出迎えられるシーンもあったが、4番には欠かせない勝負強さを体現した。
ペナントレース開幕へ。
少しずつ取り戻してきた自信と高揚感を胸に、敵地ベルーナドームでの埼玉西武ライオンズ戦に挑む。

「もう、なるようにしかならないので。それまでの過程で悔いが残るようなことはしないように心掛けています。不安なく開幕を迎えて、あとは自分を信じてやろうかなと思っています。本当に昨年不甲斐ない姿をたくさん見せてしまったので、この1年でしっかりファンの皆様の信頼を感じられるように。開幕戦から全力で駆け抜けていければと思います」
清宮幸太郎選手×野村佑希選手×万波中正選手のロングインタビュー「チームを引っ張る選手への覚悟」は、オフィシャルガイドブック2025でご覧ください。